【航空宇宙産業について】宇宙産業の歴史
今回は宇宙産業の歴史を紹介します。
人類が初めて宇宙に旅立ってから約半世紀、宇宙産業の歴史はまだまだ始まったばかりのものです。
1961年4月に旧ソ連が人類初の宇宙飛行を成功させました。この時搭乗していたユーリ・ガガーリン氏の「地球は青かった」という言葉は世界中の人々の宇宙への憧れを高めるものとなりました。1961年5月には遅れてアメリカのマーキュリー宇宙船も宇宙飛行を成し遂げ、史上2番目の快挙となりました。
また日本の宇宙産業では1970年に人工衛星「おおすみ」の打ち上げに成功しています。有人の打ち上げにはいたらない日本ですが宇宙産業の開発に取り組んでいたことがわかります。
それから1970年代に入るまで、旧ソ連とアメリカとの間で幾度となく宇宙開発への競争が行われました。そんな中、旧ソ連に遅れをとっていたアメリカが、1969年7月に人類初の月面着陸をアポロ11号の打ち上げにて成功させました。アポロ11号の船長であった、アームストロング船長が言った「これは一人の人間にとっては小さな一歩だが、人類にとっては偉大な一歩である。」という言葉は広く人類としての成功を意味する言葉となりました。その後アポロ20号まで計画されていたアポロ計画は1972年のアポロ17号を最後に幕を閉じました。
そうして宇宙開発が「競争の1960年代」から「協力の1970年代」に変化します。1960年代ではアメリカと旧ソ連は宇宙開発において激しい競争を行っていました。その中で1975年にアメリカのアポロ18号と旧ソ連のソユーズ船19号の合体が行われました。合体をきっかけに競争を行っていた宇宙開発が協力の宇宙開発に変化していきました。1971年には宇宙ステーションが開発され、長期滞在と宇宙空間での実験を可能としました。数多くの実験の成果はあらゆる方面で有効利用されることになりました。
1990年代になり、日本にも宇宙飛行士が誕生します。1990年12月、日本人として初めてジャーナリストであった秋山豊寛氏が宇宙飛行に成功しました。また、1992年9月には宇宙空間での実験を行う科学者として毛利衛氏も宇宙へ飛び立ちました。そして1996年には実験だけでなく、宇宙でのロボット操縦までを行うミッションスペシャリストとして若田光一氏が選出され、日本人初のミッション成功者となりました。1990年代は、アメリカや旧ソ連だけではなく、日本を含めた世界各国が積極的に宇宙開発に参入する時代となりました。
そして2000年代(21世紀)に入ると宇宙開発はさらなる発展と加速をはじめます。2004年にはアメリカが再度月へ挑戦を目指した、新宇宙政策を発表しました。また、2000年代はアメリカだけではなく日本や中国、インドをはじめとして世界各国での宇宙開発がなされるようになりました。そして、本格的な月の調査をいち早く始めたのは日本の「かぐや」でした。アメリカ、欧州に負けまいと世界各国で新たな宇宙開発への競争がはじまります。また人類が月へ行ける未来はそう遠くありません。
現在宇宙産業は民間企業にも注目が集まっています。アメリカのスペースX社を筆頭に民間ロケットが宇宙へ進出する時代となりました。ここで少し夢のある話をしたいと思います。スペースX社の創設者であり、大富豪のイーロン・マスク氏が100万人都市を2050年までに火星に建設する計画を語りました。彼は今後10年で宇宙船ドラゴンクルーを1000機作る計画だと言います。また、1日平均3機を火星に打ち上げる予定で、誰でも手頃な価格で火星への旅行を行うことができるようになると語りました。地球と火星が互いに接近した際に、乗客を乗せた宇宙船を火星に出発させる方法を考えており、宇宙船の打ち上げは10万人を26ヶ月に1回送り出すことになると計画しています。
人類が初めて宇宙に飛び立った1960年から数多くの失敗と成功を辿り現在に至ります。今後の宇宙産業の発展にますます注目していきましょう。
(海野)
<出典>
LUNAR DREAM CAPSULE PROJECT 月と宇宙
http://lunar-dream.com/articles/002.html
イーロン・マスク氏2050年までに100万人を火星に送る計画を語る
https://jp.sputniknews.com/science/202001197027230/
<画像の出典>
宇宙服 船外活動用 生命維持装置付き 宇宙博2014
https://www.photo-ac.com/main/detail/439225?title=宇宙服%E3%80%80船外活動用%20生命維持装置付き%E3%80%80宇宙博2014&searchId=238233214
https://www.photo-ac.com/main/detail/942244?title=宇宙と地球%20ガイア&searchId=244723099
【KAINについて】株式会社毛戸製作所
皆さん、こんにちは。
今回はKAINに所属している株式会社毛戸製作所(以下毛戸製作所)を紹介します。
毛戸製作所は、板金製造に特化した技術を持つ企業です。
板金とは、下記の画像のような、金属を板のように薄く打ち延ばしたものです。
その板金でも「工場板金」「建築板金」「自動車板金」と大きく3つに分けることができます。
毛戸製作所の業務は「工場板金*1」にあたり、その中でも「精密板金*2」に属します。
板金製造に特化した技術を活かし、2006年の2月から航空機板金製品の受注に合わせて、ISO9001を取得しました。それに加え、航空機部品業界のニーズに合わせ、2011年7月にはJISQ9100を取得しています。
そんな毛戸製作所は主に、航空機の座席用のパッケージバーやフレームパイプ、航空機ラバトリー(化粧室)板金製品、ボーイング製B 787などの構造板金部品などを製作しています。
このように素晴らしい技術を持っている毛戸製作所ですが、工場板金技能士の育成にも注力しています。
「技能士の資格を持っている」ということではなく、「基礎をしり、応用する技術」をモットーに、板金を製作する工場において、さらに高みを目指している企業です。
(渡部)
<出典>
株式会社毛戸製作所
http://www.kedo.co.jp/index.html
JAPAN AEROSPACE 2016 国際航空宇宙展 参加メンバーポスター
https://www.pref.kyoto.jp/sangyo-sien/documents/kainposter.pdf
【 航空宇宙産業について】ロールスロイス
↓ロールスロイス製エンジン
今回はエンジン完成メーカーのロールスロイスについて紹介します。
ロールスロイスは、1906年に創立され、当時は高級乗用車「シルヴァーゴースト」で有名でした。航空機用エンジンの開発は、第一次世界大戦中にイギリス軍が開発を持ちかけたことで始まりました。
現在、ロールスロイスはゼネラルエレクトリック社、プラットアンドホイットニー社と共に「世界三大飛行機用エンジンメーカー」と言われています。
ロールスロイスには主に民間航空部門、防衛航空部門、パワーシステムズ部門の3部門があり、日本ではその全てを展開しています。
民間航空部門では、大型民間航空機・ビジネスジェット向けエンジン製造・サービスを手がけています。全世界で現在1万3000基以上のロールスロイス製エンジンが稼働しています。
防衛航空部門では、日本では自衛隊や海上保安庁の航空機向けのエンジンを設計・製造しています。103ヶ国、160の顧客に、1万6000基以上のエンジンを提供しています。
パワーシステムズ部門では、海上保安庁向けに様々な種類の高速エンジンを提供し、メンテナンスを行っています。
このようにロールスロイスは航空機エンジンにおいて多くの分野を手がけています。
(兵地)
<出典>
https://www.rolls-royce.com/country-sites/japan.aspx#section-our-insights-on-japan
民間航空機エンジンメーカーにおける国際分業構造
http://www.ritsumei.ac.jp/acd/re/ssrc/result/memoirs/kiyou37/37-01.pdf
https://car-moby.jp/article/automobile/rolls-royce/history-45/
<画像の出典>
photos.com
https://www.photo-ac.com/main/detail/1285754
【KAINについて】三和化工株式会社
今回はKAINに所属している三和化工株式会社(以下三和化工)を紹介します。
三和化工は、ポリエチレン発泡体、ゴム発泡体などの製造・加工・成形を行っています。
発泡体というのは、プラスチックやゴムの中に、空気を混ぜたものです。
ポリエチレン発泡体とは、ポリエチレン樹脂*1を基として、発泡させたものです。
ゴム発泡体とは、合成ゴム*2を基として発泡させたものです。
これらは、目には見えないところですが、航空機のエコノミーからファーストまでの座席に使用されています。
発泡体は材料に空気を混ぜたものであることから、重さは軽いです。
そのため機体の軽量化にも貢献しています。
三和化工では、日常生活で目にするものも多く製造しています。
例えば、プールで使用するビート板、シャンプーハットなどがあります。
今、世界では地球温暖化が問題になっています。
三和化工は植物性の物を使用したりするなど、SDGsを実践するための研究も進めており、環境にも優しい企業を目指しています。
(渡部)
<出典>
三和化工株式会社
http://www.sanwa-chemi.co.jp/index.html
三和化工株式会社(京都企業紹介)
http://www.pref.kyoto.jp/sangyo-sien/company/sanwakako.html
ポリエチレン樹脂とは
https://www.sanipak.jp/faq/words/polyethylene.html
プラスチックの社会的貢献
http://www.jpe.gr.jp/sites/default/files/20150619zemitekisuto.pdf
ナフサについて
【KAINについて】株式会社ジーネス
みなさん、こんにちは。
今回はKAINに所属している株式会社ジーネス(以下ジーネス)を紹介します。
ジーネスは、非破壊検査装置の開発、製造、販売、コンサルティングの他に、非破壊検査装置を使った受託試験*1を行っている企業です。
非破壊検査とは、材料や部品または完成品において目視で確認できない欠陥または状態を、物理的に破壊することなく検査できる検査方法です。
航空宇宙産業においては、航空宇宙に関わる部品などの欠陥を検査する非破壊検査装置を開発、製造、販売をしています。
例えば、航空宇宙産業の分野では、ポータブルデジタル超音波探傷器が使用される場合もあります。
これは高性能な探傷機能*2を備えており、手動操作が多いですが、幅広い用途に対応可能な超音波探傷器です。使いやすさと高性能を両立させています。
また、耐久性にも優れており、持ち運びも簡単であることから、現場での探傷が行えます。
金属内や溶接部の欠陥位置・深さや大きさ・形状がスクリーンに表示されます。
ジーネスは航空宇宙産業だけでなく、鉄道、自動車、素材、建設分野においても高精度の検査技術を活かし、安心安全の暮らしを提供している企業です。
私たちが安心して飛行機に乗ることができるのも、このような非破壊検査装置を使って定期的に検査をしているからなのです。
(渡部)
<出典>
株式会社ジーネス
【航空宇宙産業について 】軍用機
航空機は民間の航空機と政府の航空機の2つに分けられます。今回は政府の航空機の中でも軍事目的のために使用される軍用機について説明します。
軍用機とは軍事目的のために設計、製造、使用される航空機です。軍事航空が発達したため多種多様となり、戦闘機、偵察機、連絡機、救難機、軍用大型ヘリコプターなど様々な航空機が存在しています。
軍用機は民間機と比べて激しい動きをすることが多いため頑丈に作られています。このように民間機と軍用機の違いはいくつかありますがここでは塗装について紹介します。民間機も軍用機も塗装を行いますが、その塗装の内容は違います。民間機はつやがある塗装なのに対し軍用機の塗装はつやが無く、表面がざらついていることが多いです。表面につやがあると太陽の光を反射してしまい、機体の存在を暴露する可能性があるためです。また、塗装の色にも違いがあります。民間機は派手な塗装が多いのに対し、軍用機は背景に溶け込んだ地味な塗装が多いです。
次に軍用機と航空宇宙産業との関わりについてお話します。三菱重工業株式会社(以下三菱重工)では、軍用機であるF-15J戦闘機、SH-60K哨戒ヘリコプターなど様々な戦闘機やヘリコプターに必要な部品の設計や開発、製造を行っています。今回は代表として三菱重工を取り上げましたが、このように軍用機は航空宇宙産業と深く関わっています。
(森口)
<出典>
航空実用事典
http://www.jal.com/ja/jiten/dict/p018.html
飛行機の種類
https://www.homemate-research-airport.com/useful/12819_facil_022/
百科事典マイペディア
https://kotobank.jp/word/軍用機-58490
航空機の構造(4)戦闘機の機体構造
https://news.mynavi.jp/article/aero_tech-4/
さようなら、ANA「787」ロゴ機!航空機の外部塗装(2)民航機と軍用機の違い
https://news.mynavi.jp/article/aero_tech-208/
https://www.mhi.com/jp/products/defense
<画像の出典>
https://publicdomainq.net/boeing-ch-47-chinook-0045849/
【航空宇宙産業とは】人工衛星
こんにちは!!皆さんは人工衛星を知っていますか??
この記事では人工衛星の基本的な情報についてまとめ、その後人工衛星が航空宇宙産業どのように関わっているのかについて紹介します。
人工衛星は地球を回る人工の天体で目的によって科学衛星、実用衛星、軍事衛星などの区別があります。日本で直近で打ち上げに成功した人工衛星としては「つばめ」が挙げられます。
超低高度衛星技術試験機「つばめ」は2017年の12月23日に打ち上げられました。JAXAは現在軌道高度にして300kmより低い軌道で利用するための人工衛星の研究をしています。「つばめ」はJAXAが培ってきたイオンエンジン*1技術を利用して、超低高度衛星を開発するための技術評価を行う試験機です。三菱電機株式会社がプライムメーカーとして、設計・製造を担当しています。
超低高度衛星技術試験機「つばめ」では三菱電機株式会社が設計・製造の担当を行いましたが、他の人工衛星には合同会社先端技術研究所や三菱電機株式会社などの企業が開発や設計、製造を行うなど、航空宇宙産業の様々な企業が関わっています。
(明石)
<出典>
https://kotobank.jp/word/%E4%BA%BA%E5%B7%A5%E8%A1%9B%E6%98%9F-81661
JAXA 人工衛生「つばめ」
https://www.satnavi.jaxa.jp/project/slats/index.html
合同会社先端技術研究所
https://www.ipros.jp/company/detail/304928/
三菱電機株式会社
http://www.mitsubishielectric.co.jp/society/space/satellite/
https://kotobank.jp/word/%E3%82%A4%E3%82%AA%E3%83%B3%E3%82%A8%E3%83%B3%E3%82%B8%E3%83%B3-430816
<画像の出典>
Canva
https://www.canva.com/photos/MAEN3Gyj1ec-stars-in-the-sky-during-night-time/