【飛行機について】飛行機の与圧・空調系統のしくみ
今回は飛行機の与圧・空調系統のしくみについて説明します。
与圧・空調系統は大きく、与圧システムと冷暖房システムに分けられます。はじめに、与圧システムについてお話しします。
与圧とは、気圧の低い場所で動く乗り物の内部の気圧を、外部よりも高くしておくことを言います。飛行機が飛ぶ高さの空というのは気圧が低いのです。気圧とは、空気の重さによってはたらく圧力です。上空に行けば行くほど地上より飛行機の上にある空気が少なくなるので、気圧が小さくなります。また、気圧は横や下からなど、あらゆる方向からはたらきます。
人は気圧が低すぎると呼吸ができなくなるため、飛行機には機内の気圧を高くするシステムが備わっています。それが与圧システムです。
与圧システムは、エンジンで圧縮した空気を取り入れることで機内の気圧を高めています。また、取り込んだ空気によって気圧が上がりすぎないようにアウトフローバルブ(圧力調整弁)というところで空気を逃がし、圧力を調整します。
続いて、冷暖房システムについてお話しします。上空は地上より気温が低くなります。そんな中、機内を温め、快適にするシステムが冷暖房システムです。
冷暖房システムは、エンジンとAPU(補助動力装置)で温めた空気を取り入れて、温度を調整しています。エンジンなどから取り入れた空気は温度が高すぎるため、外の冷たい空気と混ぜ、適温の空気を作り出しています。また、換気は、換気口から換気用空気が客室内に流れ込み、圧力調整弁を通って出ていきます。
このように、飛行機は機内を快適に保つためのしくみが備わっています。
(髙田)
〈出典〉
[監修]中村浩美 イラスト図解シリーズ「飛行機」
[監修]東京大学大学院教授 鈴木真二 「飛行機のしくみ パーフェクト辞典」
[著者]髙木雄一、小塚龍馬、松島丈弘、谷村康行 「トコトンやさしい航空工学の本」
[監修]石田敦、木下浩、佐藤陽子「中1理科をひとつひとつわかりやすく。」
〈画像の出典〉
photo AC (1つ目の画像)
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