【飛行機について】飛行機の胴体に使われている外板について
今回は飛行機の胴体を構成している外板(がいはん)について説明します。
飛行機の胴体は筒状になっており、その外側の部分を外板と言います。外板はアルミニウム合金でできています。
アルミニウム合金は軽く、丈夫で最も飛行機に使われる金属です。合金とは金属に少量の他の元素を混ぜたものを言います。1円玉に使われているのは純粋なアルミニウムで、アルミニウム単体では強度は高くありませんが、合金にすることで強度が高くなります。
しかし、アルミニウム合金には弱点があります。1つが腐食しやすいことです。腐食とはさびなどが発生することを言います。それを防ぐために熱処理という加工が行われます。もう1つの弱点が溶接をすると欠陥がでやすいことです。そのため、外板の接合にはリベットというものが使われます。リベットは2つの板状の物を、重ね合わせて両方の同じ位置に穴を開け、そこに通して接合する釘のようなものです。このリベットで接合する時も熱処理を行います。アルミニウム合金は熱を加えると柔らかくなる性質があるので、柔らかいうちにリベットを使い接合します。
この外板が胴体の形になるまでは次のような流れになります。まず初めに、アルミニウム合金の板に窓などの穴を開け、可能な限り薄く削ります。その後、丸みをつけるためにプレス機で曲げ、熱処理し、補強材を取り付けます。この補強材のついた外板のことをパネルと言います。複数枚のパネルをリベットで接合することで胴体の形になります。
このように、外板は軽くて丈夫な素材で胴体を形成しています。
(髙田)
〈出典〉
[監修]東京大学大学院教授 鈴木真二「飛行機のしくみパーフェクト辞典」
[監修]中村浩美 イラスト図解シリーズ「飛行機」
[著者]髙木雄一、小塚龍馬、松島丈弘、谷村康行「トコトンやさしい航空工学の本」
[監修]石田敦、木下浩、佐藤陽子「中1理科をひとつひとつわかりやすく。」
〈画像の出典〉
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