【航空宇宙産業について】航空宇宙産業の未来

 今回は航空宇宙産業のこれからどうなっていくの??という疑問についてお答えします。

みなさんは、今の日本の航空宇宙産業の規模を知っていますか?

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飛行機ボーイング777-200

 

なんと、現時点では米国の10分の1未満の規模なのです。

アメリカや欧州主要国と比較して、日本の航空宇宙産業の規模は小さいです。

欧州主要国、例えばフランス・ドイツ・イタリアなどですね。

 

 しかし、以下の理由から日本の航空宇宙産業は発展する可能性が大いにあると考えられています。

 

①世界の民間航空機市場において、今後20年間で約3万5千機、金額にして5兆ドル以上(日本円で約516兆円以上)の新造機の需要が見込まれること。

 

②日本の航空機産業が参画する国際共同開発事業の売り上げが徐々に伸びていること。

 

③日本初の国産旅客機であるMitsubishi SpaceJetの開発が進められていること。

 

④機体構造・エンジン・装備品で参画可能な事業領域が残されており伸びしろがあること。

 

⑤今後の量産化や生産性向上に向けて、自動車などの他産業で培った技術・ノウハウや、ものづくり中小企業の潜在力のさらなる活用余地があること。

 

このようなことから、航空宇宙産業はまだまだ成長する業界だと言えます。

 

しかし、2020年は新型コロナウイルスの感染拡大により世界の航空需要が一気に減少しました。そのため、エンジンや機体などの部品受注は途切れている状態です。

それに加え、③のMitsubishi SpaceJetの開発も現在凍結している状態です。

 

経営が悪化している航空宇宙関連企業には、他業界の企業からの受注を後押しするため、異業種との出会いの場をつくる支援も始まっています。

 

このような状態であることから、この先どうなるかはまだ明確には分からない状況です。

世界の航空需要が回復するのは2024年とされていますが、1日でも早く新型コロナウイルスが収束し、部品受注が再開されるといいですね。

世界中の人々が、再び飛行機を使って安心して旅行ができる日が来ることを願っています。

 

(渡部) 

 

〈出典〉

伸びしろある航空宇宙産業

https://www.pref.aichi.jp/kikaku/sogotokku/extend/

日本経済新聞「中部の航空機産業 三重苦 ボーイング不振やコロナ禍」

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO61849910S0A720C2ML0000

中日新聞「航空産業の異業種受注支援 愛知県がマッチング事業」

https://www.chunichi.co.jp/article/161434

 

〈画像の出典〉

飛行機ボーイング777-200/photoAC

https://www.photo-ac.com/main/detail/296520?title=飛行機%E3%80%80ボーイング777-200&searchId=236884976