【飛行機について】エンジンのファン
今回はエンジンのファンについて説明します。
エンジン全体の仕組みについては下記の記事を参照してください。
【飛行機について】エンジン全体の仕組み - KAINと伊吹ゼミの航空宇宙産業ブログ
ファンはブレードと呼ばれる羽根を回転させて、大量の空気を取り込みます。そして取り込んだ空気を圧縮し、圧縮された空気をファンの後ろにあるコンプレッサーと、エンジンとエンジンカバーの間の空間にある空気の通り道であるバイパスに送ります。主に、飛行機の推進力の大部分はバイパスを通った空気から得ています。
通常、ファンのブレードの数は30枚以上となっています。エンジンによってはファンが低圧コンプレッサーと同じ軸になっているものと、ファンが独立したものとがありますが、どちらもファン中心付近の空気の流れはコア・エンジン*1に送られます。
ファンブレードは、薄くて幅が広く、複雑に曲がっているものが多いです。その理由としては、高い効率を求めて先端の周速度が音速に近くなるため、また、振動や破損に強くするためです。材料はアルミ合金からステンレス鋼、チタニウム合金と時代とともに変化しており、最近は軽量化のためにこれをさらに中を空っぽにしたものも現れています。
このように、ファンはエンジンの1番前の部分であり、空気をたくさん取り込むために非常に重要であるため、強くかつ軽く進化していっています。
(邉見)
<出典>
「飛行機のしくみパーフェクト辞典」監修 東京大学院教授 鈴木真二
航空実用事典
http://www.jal.com/ja/jiten/dict/p217.html#01-03-01d
http://www.jal.com/ja/jiten/dict/p217.html#01-03a
<画像の出典>
photo AC
https://www.photo-ac.com/main/detail/946478?title=%E9%A3%9B%E8%A1%8C%E6%A9%9F&searchId=204944308
photo AC
*1:コア・エンジン: エンジンの中心部分であるコンプレッサー、燃焼器、タービンの基本的な構成部分。