【飛行機について】主翼の仕組み
今回は、飛行機の主翼の仕組みについてお話ししていきます。
飛行機が空を飛ぶために最も重要となる主翼、そこには様々な仕組みがあります。
主翼にはスラット、スポイラー、フラップ、エルロン、フラッペロンが備わっています。これらの役割や仕組みについてお話ししていきます。
【スラット】
翼の前部分の一部を前方に押し出すことにより主翼本体との間に隙間を作り、この隙間からの圧力の高い空気を翼の上側に導きます。そうすることにより翼上面に沿って流れる気流の乱れを防ぎ、揚力*1と呼ばれる上向きの力を高める働きを持ちます。
【スポイラー】
主翼によって発生する揚力を低くする働きを持つ翼であり、ふだんは翼の表面とピッタリと重なり、作動状態では翼が上に開きます。スポイラーを開くと、それまで翼表面に沿って流れていた気流が乱され、揚力が低くなって抗力*2が高まり、飛行機を失速させる働きがあります。
スポイラーは緊急降下時などできる限り早く降下したいときや、接地後速やかに揚力を下げて機体重量をできる限り大きく各車輪にかけて、ブレーキの効きをよくすることで着陸距離を縮めるために使用されています。
【フラップ】
フラップは通常、翼内に収納していて離陸や着陸といった速度が比較的遅いときに、翼の端から引き出し、翼の面積を大きくすることにより揚力を増加させます。そして、速度が比較的に遅い場合においても大きな揚力を発生させ、機体を浮かせる役割があります。離陸時にフラップを引き出すことで飛行機の先端部分が上向きになり離陸しやすくします。着陸時は離陸時より翼の面積を大きくし、飛行機の先端部分をあげて着陸しやすくします。
翼の前部分にも装着されています。
【エルロン】
機体の左右の傾きや姿勢を制御するために、左右各主翼の後ろ部分に対称的に取り付けられている動翼のことです。
【フラッペロン】
エルロンとフラップの役割を兼ねたものです。
これらの仕組みがあることで飛行機が安全に飛行、離着陸することができます。
(太田)
〈出典〉
鈴木信二 田村正隆(2015) ダイナミック図解 飛行機のしくみパーフェクト事典 ナツメ社
鈴木信二 田村正隆(2009) 史上最強カラー図解 プロが教える飛行機のすべてがわかる本 ナツメ社
室蘭工業大学航空宇宙機システム研究センター 東野和幸 (2018) きちんと知りたい!飛行機メカニズムの基礎知識
航空実用辞典
http://www.jal.com/ja/jiten/dict/p083.html#01-05
〈画像の出典〉
photoAC
https://www.photo-ac.com/main/detail/946478?title=%E9%A3%9B%E8%A1%8C%E6%A9%9F&searchId=204944308#
2枚目は筆者作成
shutter stock
「Plane Landing On Runway Detail Wing」の写真素材(今すぐ編集) 1584311260 (shutterstock.com)