【飛行機について】飛行機のパーツの輸送について

 

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 今回は飛行機の各パーツがどのように運ばれているのか、エアバスの飛行機を例に出してお話したいと思います。

 

まずパーツは主に前胴部、中胴部、後胴部、主翼垂直尾翼水平尾翼という6つの大型パーツがあります。

これらはヨーロッパ各地で作られており、1つの飛行機を作るためにフランスにこの6つのパーツを運ばなくてはいけません。

 

各地で作られたパーツは、特別輸送船と呼ばれる巨大な船によってフランスのガロンヌ川河口のボイヤックというところに運ばれます。

 

特別輸送船の大きさは全長154.15メートル、幅24メートル、高さ21.85メートルで荷物の積載スペースは6720立方メートルになります。

これはなんと世界最大の動物と呼ばれるシロナガスクジラが4.5体分の大きさに相当します。クジラ4体と考えるとものすごく大きく感じますね。

 

 そして、ボイヤックまで運ばれたパーツは河川用の輸送船に積み替えられ、川をのぼっていきます。輸送船は、約95キロメートルの距離を経てランゴンに到着します。各パーツをすべて輸送するには、4回にわたって川をのぼっています。

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ランゴンで大型トラックに積み直されたパーツは最終組立地トゥールーズまでの240キロメートルを陸路で運ばれ、陸路の輸送だけで、3日間も要します。一般のさまたげにならないように夜に輸送され、周辺住民に影響がないようにトラックの速度も最低限に抑えるための特別な騒音削減装置や速度を一定に保つ誘導システムなどを搭載しています。ほかにも、最新のGPSを駆使しトレーラーがどこにいるのか1センチ単位で把握できるコンピューターシステムを搭載し輸送にも細心の注意が払われています。

 

6つの中の垂直尾翼水平尾翼は、空輸ルートでベルーガと呼ばれる貨物を運ぶ民間用飛行機でフランスまで運びます。

そして、海路、河川、陸路、ベルーガを使った空路の4つの手段で6つのパーツはエアバスの本拠地に集結します。

 

このように飛行機の各パーツは輸送されています。

 

(太田)

 

〈出典〉

鈴木信二 田村正隆(2009) 史上最強カラー図解 プロが教える飛行機のすべてがわかる本 ナツメ社

 

〈画像の出典〉

photoAC

https://www.photo-ac.com/main/detail/946478?title=%E9%A3%9B%E8%A1%8C%E6%A9%9F&searchId=204944308#

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