【KAINについて】株式会社ジーネス
みなさん、こんにちは。
今回はKAINに所属している株式会社ジーネス(以下ジーネス)を紹介します。
ジーネスは、非破壊検査装置の開発、製造、販売、コンサルティングの他に、非破壊検査装置を使った受託試験*1を行っている企業です。
非破壊検査とは、材料や部品または完成品において目視で確認できない欠陥または状態を、物理的に破壊することなく検査できる検査方法です。
航空宇宙産業においては、航空宇宙に関わる部品などの欠陥を検査する非破壊検査装置を開発、製造、販売をしています。
例えば、航空宇宙産業の分野では、ポータブルデジタル超音波探傷器が使用される場合もあります。
これは高性能な探傷機能*2を備えており、手動操作が多いですが、幅広い用途に対応可能な超音波探傷器です。使いやすさと高性能を両立させています。
また、耐久性にも優れており、持ち運びも簡単であることから、現場での探傷が行えます。
金属内や溶接部の欠陥位置・深さや大きさ・形状がスクリーンに表示されます。
ジーネスは航空宇宙産業だけでなく、鉄道、自動車、素材、建設分野においても高精度の検査技術を活かし、安心安全の暮らしを提供している企業です。
私たちが安心して飛行機に乗ることができるのも、このような非破壊検査装置を使って定期的に検査をしているからなのです。
(渡部)
<出典>
株式会社ジーネス
【航空宇宙産業について 】軍用機
航空機は民間の航空機と政府の航空機の2つに分けられます。今回は政府の航空機の中でも軍事目的のために使用される軍用機について説明します。
軍用機とは軍事目的のために設計、製造、使用される航空機です。軍事航空が発達したため多種多様となり、戦闘機、偵察機、連絡機、救難機、軍用大型ヘリコプターなど様々な航空機が存在しています。
軍用機は民間機と比べて激しい動きをすることが多いため頑丈に作られています。このように民間機と軍用機の違いはいくつかありますがここでは塗装について紹介します。民間機も軍用機も塗装を行いますが、その塗装の内容は違います。民間機はつやがある塗装なのに対し軍用機の塗装はつやが無く、表面がざらついていることが多いです。表面につやがあると太陽の光を反射してしまい、機体の存在を暴露する可能性があるためです。また、塗装の色にも違いがあります。民間機は派手な塗装が多いのに対し、軍用機は背景に溶け込んだ地味な塗装が多いです。
次に軍用機と航空宇宙産業との関わりについてお話します。三菱重工業株式会社(以下三菱重工)では、軍用機であるF-15J戦闘機、SH-60K哨戒ヘリコプターなど様々な戦闘機やヘリコプターに必要な部品の設計や開発、製造を行っています。今回は代表として三菱重工を取り上げましたが、このように軍用機は航空宇宙産業と深く関わっています。
(森口)
<出典>
航空実用事典
http://www.jal.com/ja/jiten/dict/p018.html
飛行機の種類
https://www.homemate-research-airport.com/useful/12819_facil_022/
百科事典マイペディア
https://kotobank.jp/word/軍用機-58490
航空機の構造(4)戦闘機の機体構造
https://news.mynavi.jp/article/aero_tech-4/
さようなら、ANA「787」ロゴ機!航空機の外部塗装(2)民航機と軍用機の違い
https://news.mynavi.jp/article/aero_tech-208/
https://www.mhi.com/jp/products/defense
<画像の出典>
https://publicdomainq.net/boeing-ch-47-chinook-0045849/
【航空宇宙産業とは】人工衛星
こんにちは!!皆さんは人工衛星を知っていますか??
この記事では人工衛星の基本的な情報についてまとめ、その後人工衛星が航空宇宙産業どのように関わっているのかについて紹介します。
人工衛星は地球を回る人工の天体で目的によって科学衛星、実用衛星、軍事衛星などの区別があります。日本で直近で打ち上げに成功した人工衛星としては「つばめ」が挙げられます。
超低高度衛星技術試験機「つばめ」は2017年の12月23日に打ち上げられました。JAXAは現在軌道高度にして300kmより低い軌道で利用するための人工衛星の研究をしています。「つばめ」はJAXAが培ってきたイオンエンジン*1技術を利用して、超低高度衛星を開発するための技術評価を行う試験機です。三菱電機株式会社がプライムメーカーとして、設計・製造を担当しています。
超低高度衛星技術試験機「つばめ」では三菱電機株式会社が設計・製造の担当を行いましたが、他の人工衛星には合同会社先端技術研究所や三菱電機株式会社などの企業が開発や設計、製造を行うなど、航空宇宙産業の様々な企業が関わっています。
(明石)
<出典>
https://kotobank.jp/word/%E4%BA%BA%E5%B7%A5%E8%A1%9B%E6%98%9F-81661
JAXA 人工衛生「つばめ」
https://www.satnavi.jaxa.jp/project/slats/index.html
合同会社先端技術研究所
https://www.ipros.jp/company/detail/304928/
三菱電機株式会社
http://www.mitsubishielectric.co.jp/society/space/satellite/
https://kotobank.jp/word/%E3%82%A4%E3%82%AA%E3%83%B3%E3%82%A8%E3%83%B3%E3%82%B8%E3%83%B3-430816
<画像の出典>
Canva
https://www.canva.com/photos/MAEN3Gyj1ec-stars-in-the-sky-during-night-time/
【 航空宇宙産業について】エアバス
エアバスは、最先端の技術を採用し、航空機を設計・製造している世界をリードする航空機完成メーカーです。
エアバスは1970年に設立されました。
そして、1972年にはエアバスが初めて開発した旅客機「A800」の原型機「A300B1」が初飛行しました。
現在、エアバスによって製造された航空機種は、A220Family/A320Family/A330Family/A350XWBFamily/A380です。
次に日本とエアバスの関わりについてお話しします。
エアバスは、50年以上にわたり日本の顧客に600機以上の航空機を提供しています。
東京にオフィスを構え、神戸市にはヘリコプターサポートセンター施設を設置しています。
また、100社以上の日本企業がエアバスの様々なプログラムに参加しています。具体的には、三菱重工業株式会社がA380の前・後部貨物ドア、株式会社SUBARUがA380の垂直尾翼前縁・後縁を製造しています。
民間航空業界において、過去20年間エアバスとボーイングが支配しており、それぞれ世界の旅客機市場の約50パーセントを占めています。
(兵地)
<出典>
FlyTeam エアバス機種一覧
https://flyteam.jp/aircraft/airbus
航空機産業をめぐる1960年代の欧州国家と企業関係
https://core.ac.uk/download/pdf/198566559.pdf
https://www.airbus.com/company/worldwide-presence/japan/japan-jp.html
ビジネスインサイダー 写真で見るエアバスの歴史
https://www.businessinsider.jp/post-174843
airbus ホームページ Passenger Aircraft
https://www.airbus.com/aircraft/passenger-aircraft.html
<画像の出典>
LIBRESHOT A380
https://libreshot.com/ja/airbus-a380/
パブリックドメインQ:著作フリー画像素材集 A321
【航空宇宙産業について】民間機
飛行機は国の飛行機と民間飛行機の2つに分けられます。
ここでは民間飛行機「民間機」について紹介します。
民間機は私用と商用の2つに分けられさらに商用に用いられる飛行機は人を運ぶ旅客機と荷物を運ぶ貨物機の2つに分けることが出来ます。
旅客機は旅客を運ぶことを目的として設計・設備された航空機です。飛行機による旅客輸送は1914年に飛行艇を利用して始まり、以後航空輸送の発達とともに、しだいに大型の輸送機がつくられるようになりました。
貨物機は貨物輸送専用の航空機です。当初は高速度だけが特長でしたが、最近ではジャンボ貨物機の登場で大型の貨物も輸送できるようになりました。
旅客機と貨物機の外観の違いはほとんどありません。ただ貨物機は中に貨物しか乗せないため窓が少ないという特徴が挙げられます。
次に民間機と航空宇宙産業との関わりについてお話します。民間機には航空宇宙産業が関わっています。ここでは新明和工業株式会社(以下新明和工業)と民間機との関わりについて紹介します。新明和工業は民間機の開発に初めて参画した国産旅客機YS-11の経験をもとに、ボーイング社767開発プロジェクトなどの様々な民間機プログラムに参画しました。新明和工業は高い金属・複合材加工技術と品質が評価され、各社航空機メーカーから厚い信頼を得ています。今回は代表として新明和工業を取り上げましたが、このように民間機は航空宇宙産業と深い関わりがあります。
(明石)
<出典>
飛行機の種類
https://www.homemate-research-airport.com/useful/12819_facil_022/
旅客機 コトバンク 百科事典 マイペディア
https://kotobank.jp/word/%E6%97%85%E5%AE%A2%E6%A9%9F-659651
貨物機 コトバンク 日本大百科辞書
https://kotobank.jp/word/%E8%B2%A8%E7%89%A9%E6%A9%9F-1292952
航空用語事典
http://www.jal.com/ja/jiten/dict/p018.html#03-04
旅客機と貨物機の違い
新明和工業株式会社
https://www.shinmaywa.co.jp/aircraft/products/index.html
<写真の出典>
Canva
https://www.canva.com/photos/MAEFktoe6yY/
Canva
https://www.canva.com/photos/MADGxnOdSDo-people-sitting-inside-airplane/
【航空宇宙産業について】ナブテスコ株式会社
今回はナブテスコ株式会社を紹介します。
ナブテスコ株式会社は航空機装備品メーカーでTier1に位置しています。
この記事ではナブテスコ株式会社の事業内容と航空宇宙産業との関わりについて記述しています。
まずナブテスコ株式会社は株式会社ナブコと帝人製機株式会社が2003年に経営統合してできた会社です。前身の株式会社ナブコは1925年、株式会社神戸製鋼所・現在はダイハツ工業の発動機製造株式会社・東京瓦斯電気工業株式会社の3社の合弁で誕生しているので、歴史としては長い会社になります。
ナブテスコ株式会社は主な事業として、精密減速機、鉄道車両用機器、航空機器、舶用機器、自動ドアの製造などをしています。また、前身の株式会社ナブコの時から鉄道用のブレーキ装置、自動ドアなどは製造しています。
たとえば、先ほど出てきた精密減速機は、世界中の自動車が作られる製造ラインで部品の組み立てなどをする産業用ロボットの動きを支える重要な部品のことです。ナブテスコ株式会社はその世界中にある中大型産業用ロボットに使われている精密減速機の約60%を製造しています。
また、「ナブテスコって ナンデスコ?」という頭に残るCMもあるので見たことのない方は是非こちらからから見てみてください。(https://youtu.be/NMQvJIxWlIE)
ナブテスコ株式会社は、機体コントロールの中核となる操縦系統システム、各種装備品などの航空機器の製造やアフターサービスとしての部品供給を主要航空機メーカーへ行うなどして、航空宇宙産業に関わっています。
中でも、フライト・コントロール・アクチュエーション・システム*1というフライトコントロールシステムの国内シェアは100%です。フライトコントロールシステムとは航空機の揚力や機体姿勢などを制御するために動く、機体の羽の部分などを操作する機械の事です。フライトコントロールシステムがないと飛行機の翼の可動部は動く事ができないので飛行機にとって重要な部品です。
このようにナブテスコ株式会社は市場での確固たるポジションを築く事で、航空宇宙産業にとって替えが効かないような大切な役割を果たしている事がわかります。
(古島)
<出典>
ナブテスコ株式会社 公式H P
ナブテスコ株式会社 公式H P 事業欄
https://www.nabtesco.com/products/
ナブテスコ、航空機向けアクチュエーターの工場を新設…MRJなど
https://response.jp/article/2016/10/07/283160.html
島津製作所 公式HP
https://www.shimadzu.co.jp/products/aero/control.html
https://dept.sophia.ac.jp/econ/econ_cms/wp-content/uploads/2016/11/SBCS2015_002C.pdf
<画像の出典>
photo AC
【航空宇宙産業について】横浜ゴム株式会社
横浜ゴムは日本で数少ない航空機装備品メーカーでTier 1に属しており、航空宇宙産業を代表する企業の一つです。
横浜ゴムのメイン事業は売上高の約80%を占めるタイヤ事業ですがタイヤ開発で培ってきた、接着や加工などの技術を活かして航空機部品、土木製品、海洋製品、工業用ホースなど、幅広い分野の製品を造りだしています。
また海外だけでも50を超える拠点を持ち、世界での存在感を高めているグローバルメーカーです。
1917年に「横浜護謨製造株式会社」を設立しました。
その頃から、技術力で先行する欧米諸国に対し自分たちの手で高品質なゴム製品を開発してみせる、という国産メーカーとしての誇りと挑戦者としての強い志を持っています。
横浜ゴムはゴムを扱っている印象がある事から、航空機とはなかなか結びつかないかもしれません。しかし、航空機部品にはゴムはとても重要な材料なのです。
例えば、航空機の化粧室ユニットや、宇宙ロケットにおける部品においても「横浜ゴム」の商品が使われています。
横浜ゴムはB757*1とB737*2の化粧室ユニットの主要メーカーで、B737用に4,000機(11,000台)以上、B757用には20年間で1,100機(4,000台)以上を生産しています。
他にも航空機向けを中心に飲料水タンク、軽量構造材*3などを開発しています。
そして、世界の民間航空機メーカーや防衛省などへ販売しています。
横浜ゴムの化粧室ユニットは、機体メーカーからの継続的な品質改善プログラムに基づいて設計しており、快適なスペースを確保しながらコストと重量の大幅削減を実現しています。
化粧室ユニットの軽量化をすることは、機体の燃費改善に繋がります。
また、横浜ゴムの化粧室ユニットは機体メーカー向けの基本設計に加え、エアライン向けのカスタムデザインや改修キットの提供も可能で、その化粧室ユニット本体とスペアパーツは米国連邦航空局(FAA)*4の認定を受けています。
近年は、航空機の内装のリフォームが増えており、他社と差別化を図りたい航空会社のニーズに応えるために新モデルも開発しています。
また、航空機用ウォータータンク(飲料水タンク)は、フィラメントワインディング法*5により製作しています。
1973年より航空機用軽量構造材の研究にも取組み、1980年世界最大の航空機メーカーであるボーイング社の認定を取得して、本格的な生産を開始しました。
横浜ゴムでは、ボーイング社の認定取得後も耐熱性の向上を目的として、エポキシ樹脂*6のみならず様々な樹脂を使用し、広範囲に開発を進めてきました。
なお日本国内材料が航空機用軽量構造材として認定された初の事例として、この認定試験当時の軽量構造材サンプルは、独立行政法人国立科学博物館により平成26年度に「重要科学技術史資料」に登録されています。
このようなことから、横浜ゴムは航空機の製造を支えている企業だと言うことがわかりますね。
(渡部)
<出典>
横浜ゴム株式会社様平塚製造所工場見学へ
https://www.concur.co.jp/newsroom/article/yokohama-rubber-factory-tour
YOKOHAMAとは
https://www.y-yokohama.com/about_yokohama/philosophy/
米国連邦航空局(FAA)とは
https://www.weblio.jp/content/アメリカ連邦航空局
化粧室ユニットをアメリカン航空に供給
https://www.y-yokohama.com/release/?id=1073&lang=ja&sp=80&year=2009
ラバトリーモジュール
https://www.y-yokohama.com/product/mb/aerospace/labatorymodule/
フィラメントワインディング法とは
https://www.asahi-kasei.co.jp/aec-mkt/product/filament/index.html
エキポシ樹脂の性質
https://www.furmanite.co.jp/composite_repair_701.html
ビスフェノールAとは
https://jccu.coop/food-safety/qa/qa02_03.html
エピクロルドリンとは
https://www.kashima-chemical.com/epichlorohydrin/
*1:B757:アメリカのボーイング社が開発・製造した中型の双発ジェット旅客機のこと。
*2:B737:アメリカのボーイング社が開発・製造した小型ジェット旅客機のこと。
*3:軽量構造材:ガラス、ケブラー、カーボンなどの織物に樹脂をしみこませ、完全に硬化されていない状態のもの。特徴は耐熱・高強度・軽量であること。2つ以上の異なる材料を組み合わせた複合素材というものである。
*4:米国連邦航空局(FAA):アメリカ合衆国において、航空機材・空港などの監督を行う連邦政府の組織のこと。
*5:フィラメントワインディング法:樹脂をしみこませた炭素繊維やガラス繊維を、マンドレルと呼ばれる型に巻き付け、一定の形状に加工すること。
*6:エポキシ樹脂:プラスチックの原材料であるビスフェノールAと工業製品の原料として使用されているエピクロルドリンを混ぜてできる化合物のこと。