【航空宇宙産業について】産業構造
今回は航空機産業の産業構造について説明します。
航空機産業の産業構造は図に表すと以下の通りになります。
産業構造は航空機完成メーカーやエンジン完成メーカーを頂点に、膨大な量のサプライヤーが存在しているピラミッド構造になっています。
ピラミッドの1番上には航空機完成メーカーやエンジン完成メーカーが存在しています。航空機完成メーカーはボーイング、エアバスなどが代表的な企業でエンジン完成メーカーはロールスロイスなどが代表的な企業です。それらと直接取引しているのが「Tier1」(ティア1)と呼ばれる企業です。「Tier1」はエンジンメーカーや航空機機体メーカーなどで構成されており、自社で製作した飛行機の部品を直接納入しています。代表的な企業として三菱重工業株式会社や株式会社IHI、ナブテスコ株式会社などがあります。他の記事でこれらの企業を代表例として取り上げます。
次に「Tier2」「Tier3」(ティア2、ティア3)があります。「Tier2」「Tier3」は部品を「Tier1」に供給する企業です。「Tier2」は「Tier1」から注文された部品を製造し納入します。「Tier3」はその「Tier2」からさらに細かい部品などの注文をうけて製造し納入します。そのほかにも部品加工に必要な機械や工具を供給する企業や特殊な加工を行う加工企業も「Tier2」「Tier3」に含まれます。KAINはこの「Tier2」「Tier3」の部分に属しています。
ほかにもピラミッドには含まれていませんが機体のメンテナンスや修理を行う企業も航空機産業に含まれており非常にすそ野の広い産業になっています。
航空機産業 海外ビジネスのヒントと知財対策 3ページ
https://www.chubu.meti.go.jp/b22aerospace/160310/aerospace-guidebook.pdf
関西航空機産業 プラットフォームNEXT 3ページ
https://www.kankeiren.or.jp/keizaijin/201908now.pdf
この2つの資料を基準として、完成機メーカーやtier 1の企業を選び他の記事で例として取り上げます。tier 2、tier 3の企業に関してはKAINに所属している各企業を例として取り上げます。
〈出典〉
本邦航空機産業の過去・現在・未来
https://www.dbj.jp/pdf/investigate/etc/pdf/book1607_01.pdf
「航空機産業の動向と参入のタイミング」関東経済産業局先端産業支援課
〈画像の出典〉
「航空機産業の動向と参入のタイミング」関東経済産業局先端産業支援課
資料をもとに筆者が作成