【飛行機について】飛行機の胴体に使われているフロアビームについて

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 今回は飛行機の胴体部分に使われているフロアビームについて説明します。飛行機は客室の下に貨物室がある構造になっています。その間を隔てる、客室の床を支える部分がフロアビームです。

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胴体の断面図

 エアバスの「A380」という機体のフロアビームには、繊維強化プラスチックという複合材料が使われています。

 複合材料とは、2つ以上の材料を組み合わせることでより優れた性質や、全く新しい性質を持つ材料のことです。また、繊維強化プラスチックはプラスチックとガラスや炭素などの繊維の長所を引き出し、短所を補うように作られています。プラスチックは軽く、形が作りやすく、腐食しにくいですが強度が低いという特徴があり、ガラスや炭素の繊維は金属より引っ張る力に強いが、圧縮や横からの力には簡単に形を崩してしまうという特徴があります。その2つを合わせることで、繊維強化プラスチックは軽く、強度が高いという特徴を持っています。

 

 フロアビームは乗客の床部分にあたるので、その重さに耐える必要があります。ですが、頑丈にするために金属を使用すると非常に重たくなります。そこで、繊維強化プラスチックを使うことで飛行機に多く使われているアルミニウム合金よりも強度が高く、軽いため、軽く丈夫な飛行機になります。

 

(髙田)

 

〈出典〉

[監修]東京大学大学院教授 鈴木真二「飛行機のしくみパーフェクト辞典」

[著者]髙木雄一、小塚龍馬、松島丈弘、谷村康行「トコトンやさしい航空工学の本」

[監修]石田敦、木下浩、佐藤陽子「中1理科をひとつひとつわかりやすく。」

株式会社ジャムコHP

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〈画像の出典〉

photo AC

飛行機 - No: 946478|写真素材なら「写真AC」無料(フリー)ダウンロードOK (photo-ac.com)

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「Passenger Narrow Body Airplane Cross Section」のベクター画像素材(ロイヤリティフリー) 635418512 (shutterstock.com)