【 航空宇宙産業について】エアバス
エアバスは、最先端の技術を採用し、航空機を設計・製造している世界をリードする航空機完成メーカーです。
エアバスは1970年に設立されました。
そして、1972年にはエアバスが初めて開発した旅客機「A800」の原型機「A300B1」が初飛行しました。
現在、エアバスによって製造された航空機種は、A220Family/A320Family/A330Family/A350XWBFamily/A380です。
次に日本とエアバスの関わりについてお話しします。
エアバスは、50年以上にわたり日本の顧客に600機以上の航空機を提供しています。
東京にオフィスを構え、神戸市にはヘリコプターサポートセンター施設を設置しています。
また、100社以上の日本企業がエアバスの様々なプログラムに参加しています。具体的には、三菱重工業株式会社がA380の前・後部貨物ドア、株式会社SUBARUがA380の垂直尾翼前縁・後縁を製造しています。
民間航空業界において、過去20年間エアバスとボーイングが支配しており、それぞれ世界の旅客機市場の約50パーセントを占めています。
(兵地)
<出典>
FlyTeam エアバス機種一覧
https://flyteam.jp/aircraft/airbus
航空機産業をめぐる1960年代の欧州国家と企業関係
https://core.ac.uk/download/pdf/198566559.pdf
https://www.airbus.com/company/worldwide-presence/japan/japan-jp.html
ビジネスインサイダー 写真で見るエアバスの歴史
https://www.businessinsider.jp/post-174843
airbus ホームページ Passenger Aircraft
https://www.airbus.com/aircraft/passenger-aircraft.html
<画像の出典>
LIBRESHOT A380
https://libreshot.com/ja/airbus-a380/
パブリックドメインQ:著作フリー画像素材集 A321
【航空宇宙産業について】民間機
飛行機は国の飛行機と民間飛行機の2つに分けられます。
ここでは民間飛行機「民間機」について紹介します。
民間機は私用と商用の2つに分けられさらに商用に用いられる飛行機は人を運ぶ旅客機と荷物を運ぶ貨物機の2つに分けることが出来ます。
旅客機は旅客を運ぶことを目的として設計・設備された航空機です。飛行機による旅客輸送は1914年に飛行艇を利用して始まり、以後航空輸送の発達とともに、しだいに大型の輸送機がつくられるようになりました。
貨物機は貨物輸送専用の航空機です。当初は高速度だけが特長でしたが、最近ではジャンボ貨物機の登場で大型の貨物も輸送できるようになりました。
旅客機と貨物機の外観の違いはほとんどありません。ただ貨物機は中に貨物しか乗せないため窓が少ないという特徴が挙げられます。
次に民間機と航空宇宙産業との関わりについてお話します。民間機には航空宇宙産業が関わっています。ここでは新明和工業株式会社(以下新明和工業)と民間機との関わりについて紹介します。新明和工業は民間機の開発に初めて参画した国産旅客機YS-11の経験をもとに、ボーイング社767開発プロジェクトなどの様々な民間機プログラムに参画しました。新明和工業は高い金属・複合材加工技術と品質が評価され、各社航空機メーカーから厚い信頼を得ています。今回は代表として新明和工業を取り上げましたが、このように民間機は航空宇宙産業と深い関わりがあります。
(明石)
<出典>
飛行機の種類
https://www.homemate-research-airport.com/useful/12819_facil_022/
旅客機 コトバンク 百科事典 マイペディア
https://kotobank.jp/word/%E6%97%85%E5%AE%A2%E6%A9%9F-659651
貨物機 コトバンク 日本大百科辞書
https://kotobank.jp/word/%E8%B2%A8%E7%89%A9%E6%A9%9F-1292952
航空用語事典
http://www.jal.com/ja/jiten/dict/p018.html#03-04
旅客機と貨物機の違い
新明和工業株式会社
https://www.shinmaywa.co.jp/aircraft/products/index.html
<写真の出典>
Canva
https://www.canva.com/photos/MAEFktoe6yY/
Canva
https://www.canva.com/photos/MADGxnOdSDo-people-sitting-inside-airplane/
【航空宇宙産業について】ナブテスコ株式会社
今回はナブテスコ株式会社を紹介します。
ナブテスコ株式会社は航空機装備品メーカーでTier1に位置しています。
この記事ではナブテスコ株式会社の事業内容と航空宇宙産業との関わりについて記述しています。
まずナブテスコ株式会社は株式会社ナブコと帝人製機株式会社が2003年に経営統合してできた会社です。前身の株式会社ナブコは1925年、株式会社神戸製鋼所・現在はダイハツ工業の発動機製造株式会社・東京瓦斯電気工業株式会社の3社の合弁で誕生しているので、歴史としては長い会社になります。
ナブテスコ株式会社は主な事業として、精密減速機、鉄道車両用機器、航空機器、舶用機器、自動ドアの製造などをしています。また、前身の株式会社ナブコの時から鉄道用のブレーキ装置、自動ドアなどは製造しています。
たとえば、先ほど出てきた精密減速機は、世界中の自動車が作られる製造ラインで部品の組み立てなどをする産業用ロボットの動きを支える重要な部品のことです。ナブテスコ株式会社はその世界中にある中大型産業用ロボットに使われている精密減速機の約60%を製造しています。
また、「ナブテスコって ナンデスコ?」という頭に残るCMもあるので見たことのない方は是非こちらからから見てみてください。(https://youtu.be/NMQvJIxWlIE)
ナブテスコ株式会社は、機体コントロールの中核となる操縦系統システム、各種装備品などの航空機器の製造やアフターサービスとしての部品供給を主要航空機メーカーへ行うなどして、航空宇宙産業に関わっています。
中でも、フライト・コントロール・アクチュエーション・システム*1というフライトコントロールシステムの国内シェアは100%です。フライトコントロールシステムとは航空機の揚力や機体姿勢などを制御するために動く、機体の羽の部分などを操作する機械の事です。フライトコントロールシステムがないと飛行機の翼の可動部は動く事ができないので飛行機にとって重要な部品です。
このようにナブテスコ株式会社は市場での確固たるポジションを築く事で、航空宇宙産業にとって替えが効かないような大切な役割を果たしている事がわかります。
(古島)
<出典>
ナブテスコ株式会社 公式H P
ナブテスコ株式会社 公式H P 事業欄
https://www.nabtesco.com/products/
ナブテスコ、航空機向けアクチュエーターの工場を新設…MRJなど
https://response.jp/article/2016/10/07/283160.html
島津製作所 公式HP
https://www.shimadzu.co.jp/products/aero/control.html
https://dept.sophia.ac.jp/econ/econ_cms/wp-content/uploads/2016/11/SBCS2015_002C.pdf
<画像の出典>
photo AC
【航空宇宙産業について】横浜ゴム株式会社
横浜ゴムは日本で数少ない航空機装備品メーカーでTier 1に属しており、航空宇宙産業を代表する企業の一つです。
横浜ゴムのメイン事業は売上高の約80%を占めるタイヤ事業ですがタイヤ開発で培ってきた、接着や加工などの技術を活かして航空機部品、土木製品、海洋製品、工業用ホースなど、幅広い分野の製品を造りだしています。
また海外だけでも50を超える拠点を持ち、世界での存在感を高めているグローバルメーカーです。
1917年に「横浜護謨製造株式会社」を設立しました。
その頃から、技術力で先行する欧米諸国に対し自分たちの手で高品質なゴム製品を開発してみせる、という国産メーカーとしての誇りと挑戦者としての強い志を持っています。
横浜ゴムはゴムを扱っている印象がある事から、航空機とはなかなか結びつかないかもしれません。しかし、航空機部品にはゴムはとても重要な材料なのです。
例えば、航空機の化粧室ユニットや、宇宙ロケットにおける部品においても「横浜ゴム」の商品が使われています。
横浜ゴムはB757*1とB737*2の化粧室ユニットの主要メーカーで、B737用に4,000機(11,000台)以上、B757用には20年間で1,100機(4,000台)以上を生産しています。
他にも航空機向けを中心に飲料水タンク、軽量構造材*3などを開発しています。
そして、世界の民間航空機メーカーや防衛省などへ販売しています。
横浜ゴムの化粧室ユニットは、機体メーカーからの継続的な品質改善プログラムに基づいて設計しており、快適なスペースを確保しながらコストと重量の大幅削減を実現しています。
化粧室ユニットの軽量化をすることは、機体の燃費改善に繋がります。
また、横浜ゴムの化粧室ユニットは機体メーカー向けの基本設計に加え、エアライン向けのカスタムデザインや改修キットの提供も可能で、その化粧室ユニット本体とスペアパーツは米国連邦航空局(FAA)*4の認定を受けています。
近年は、航空機の内装のリフォームが増えており、他社と差別化を図りたい航空会社のニーズに応えるために新モデルも開発しています。
また、航空機用ウォータータンク(飲料水タンク)は、フィラメントワインディング法*5により製作しています。
1973年より航空機用軽量構造材の研究にも取組み、1980年世界最大の航空機メーカーであるボーイング社の認定を取得して、本格的な生産を開始しました。
横浜ゴムでは、ボーイング社の認定取得後も耐熱性の向上を目的として、エポキシ樹脂*6のみならず様々な樹脂を使用し、広範囲に開発を進めてきました。
なお日本国内材料が航空機用軽量構造材として認定された初の事例として、この認定試験当時の軽量構造材サンプルは、独立行政法人国立科学博物館により平成26年度に「重要科学技術史資料」に登録されています。
このようなことから、横浜ゴムは航空機の製造を支えている企業だと言うことがわかりますね。
(渡部)
<出典>
横浜ゴム株式会社様平塚製造所工場見学へ
https://www.concur.co.jp/newsroom/article/yokohama-rubber-factory-tour
YOKOHAMAとは
https://www.y-yokohama.com/about_yokohama/philosophy/
米国連邦航空局(FAA)とは
https://www.weblio.jp/content/アメリカ連邦航空局
化粧室ユニットをアメリカン航空に供給
https://www.y-yokohama.com/release/?id=1073&lang=ja&sp=80&year=2009
ラバトリーモジュール
https://www.y-yokohama.com/product/mb/aerospace/labatorymodule/
フィラメントワインディング法とは
https://www.asahi-kasei.co.jp/aec-mkt/product/filament/index.html
エキポシ樹脂の性質
https://www.furmanite.co.jp/composite_repair_701.html
ビスフェノールAとは
https://jccu.coop/food-safety/qa/qa02_03.html
エピクロルドリンとは
https://www.kashima-chemical.com/epichlorohydrin/
*1:B757:アメリカのボーイング社が開発・製造した中型の双発ジェット旅客機のこと。
*2:B737:アメリカのボーイング社が開発・製造した小型ジェット旅客機のこと。
*3:軽量構造材:ガラス、ケブラー、カーボンなどの織物に樹脂をしみこませ、完全に硬化されていない状態のもの。特徴は耐熱・高強度・軽量であること。2つ以上の異なる材料を組み合わせた複合素材というものである。
*4:米国連邦航空局(FAA):アメリカ合衆国において、航空機材・空港などの監督を行う連邦政府の組織のこと。
*5:フィラメントワインディング法:樹脂をしみこませた炭素繊維やガラス繊維を、マンドレルと呼ばれる型に巻き付け、一定の形状に加工すること。
*6:エポキシ樹脂:プラスチックの原材料であるビスフェノールAと工業製品の原料として使用されているエピクロルドリンを混ぜてできる化合物のこと。
【航空宇宙産業について】航空宇宙産業に関わる様々な組織
皆さんは、航空宇宙産業がどのように国と繋がりを持っているのかご存知ですか?
今回は、航空宇宙産業に関わる様々な組織を紹介します。
〈日本の航空機産業に関わる機関〉
昭和27年(1952年)に日本の航空工業が再開されて以来、日本の航空宇宙産業事業は「通商産業省」*1によって発展、拡大されてきました。
現在(令和2年)では、経済産業省(に属する関東経済産業局)の管轄である『一般社団法人 日本航空宇宙工業会』、『一般財団法人 日本航空機開発協会』、『一般財団法人 日本航空機エンジン協会』という民間団体によって発展を促進されています。この3つの団体は、政府である経済産業省に日本の航空宇宙産業の付加価値の存続や国際競争、ビジネスマッチング事業*2、産業全体の競争力強化など、経済産業省の意向に沿った支援を任されて行って来ました。以下では、紹介した3つの団体が、日本の航空宇宙産業発展、拡大の為にどのような働きをしているのか紹介します。
・『一般社団法人 日本航空宇宙工業会』
英文名称:SJAC(The Society of Japanese Aerospace Companies)
SJACは、航空機をはじめとした航空機分野、人工衛星・ロケットをはじめとした宇宙分野の素材等の開発や、航空輸送に携わる企業と貿易商社など、計約140社で成り立っています。
他国の工場と親和を図り情報を交わす為に、国際航空宇宙工業競技会(ICCAIA)との交流会を実施する他、公開イベントとして国際航空宇宙展という展示会も開催し、共催する東京ビックサイトとイベントを企画・運営するなどの活動を行っています。
設立:昭和27年(1952年)
目的:日本の航空宇宙工業の技術・産業を高度化し発展させ、航空宇宙産業の世界的な発展に貢献すること。
主な活動:将来構想に関する調査、研究、開発、振興、産業基盤の整備、国際交流、国内展示会、広報活動、関係官庁とのコンタクト等。
英文名称:JADC(Japan Aircraft Development Corporation)
創立から現在までの間に、日本の中心核として機体メーカーを取りまとめており、ボーイング社との国際共同開発に幾つか成功しています。
設立:昭和48年(1973年)3月
目的:民間航空機の国際共同開発を行うこと。
主な活動:民間航空機の開発に関する調査及び研究、試験、分析、製造及び販売の促進、それらに伴う大型民間輸送機関連技術開発事業、次世代中小型民間輸送機関連技術開発事業等。
英文名称:JAEC(Japanese Aero Engines Corporation)
JAECの次世代中小型民間輸送機用エンジン(PW1100G-JM)開発事業では、国際共同開発母体である IAE LLC 社、P&W 社、MTU 社という企業との担当作業の調整・計画立案・管理を行っています。同様に大型民間用エンジン(GE9X)開発事業でも、国際共同開発先であるGE 社と担当作業の調整・計画立案・管理を行っています。
設立:昭和56年(1981年)10月
目的:民間航空機のエンジン開発等の調査研究などを通じて開発を促進し、航空機工業全体の発展を図ること。
主な活動:民間航空機のエンジン開発に関連する調査研究、試験、成果の分析、製造及び販売の促進、整備、改造及び修理の促進、それらに伴う事業等。
また日本政府は、全国で航空機部品を生産している航空機産業クラスター同士*3の連携を強化しようという国の方針を示し、経済産業省(に属する関東経済産業局)の元に『全国航空機クラスター・ネットワーク』という組織を構築しました。
この組織は、航空機部品を一貫生産するグループや、航空機産業への参入を目指す研究会など、全国各地の45の航空機産業クラスターが所属しており、国内から国外までの航空機産業クラスター情報の発信、新たな一貫生産を目指す組織の支援などを行っています。
私たち伊吹ゼミ11期生が課題をいただいた「KAIN(京都航空宇宙産業ネットワーク)」も、このネットワークの内の一つです。
このように、国内だけでも様々な組織が、日本の航空宇宙産業の発展を目指した支援を施しています。今日以降、航空機や宇宙工業がS N Sやメディアに取り上げられていた際には、読者の皆さんも是非、「この背景には、これだけの組織が携わっているんだよ。」と周囲の人にも自慢げに教えてあげて下さいね。
(米澤)
<出典>
https://www.weblio.jp/content/商工省
経済産業省ホームページ
https://www.meti.go.jp/intro/kids/qa/
https://www.meti.go.jp/press/2017/09/20170925001/20170925001.html
https://www.kanto.meti.go.jp/seisaku/kouku_uchu/index.html
全国航空機ネットワーク ホームページ
一般社団法人 日本航空宇宙工業会 ホームページ
https://www.sjac.or.jp/aboutsjac/index.html
http://www.jadc.jp/about_jadc/outline/
http://www.jaec.or.jp/kyoukai-gaiyou.html
J-STAGEトップ 農業経営研究
https://www.jstage.jst.go.jp/article/fmsj/49/1/49_87/_article/-char/ja/
科学技術白書検索 平成14年科学白書
第1部 知による新時代の社会経済の創造に向けて 第3章 我が国に適したイノベーションシステムの構築に向けて 第4節 戦略的な「知」の展開 2. 地域のイノベーションシステム
https://whitepaper-search.nistep.go.jp/white-paper/view/22788
株式会社三井物産戦略研究所 レポート防衛装備の国際共同開発・生産と日本の防衛産業の方向性
https://www.mitsui.com/mgssi/ja/report/detail/1221262_10674.html
<画像の出典>
【航空宇宙産業について】ボーイング
ボーイングは1916年にアメリカ合衆国で創業し、航空宇宙産業においてエアバスと世界シェアを二分する世界最大の航空宇宙機器開発製造会社です。
次に日本との関わりについてお話しします。
ボーイングは1953年に日本に拠点を構えました。1969年からボーイング民間航空機部門は、日本の航空宇宙産業の発展に協力しています。
ボーイングは、日本の航空会社への
最大の航空機供給企業であり、防衛省の主要装備及び航空機の供給企業です。
また、日本の企業である三菱重工業株式会社、川崎重工業株式会社、株式会社SUBARUはボーイングとの共同開発製造分野において活躍しています。
ボーイングには、民間航空機、防衛・宇宙セキュリティ、ボーイング・グローバル・サービスの3つの主要部門があります。
民間航空機部門では、現在、737/747/767/777/787型機とボーイング・ビジネスジェットの開発を手がけています。
防衛・宇宙・セキリュティシステム部門では、軍用航空機の部品、衛星システムや有人宇宙船の開発、自動運転システムの開発を手がけています。
ボーイング・グローバル・サービス部門では、世界に広がる多様な機械の品質・機能を維持するため高技術のメンテナンスを提供しています。
このように、ボーイングは民間航空機、防衛・軍用機、電子・防衛システム、衛星、衛星打ち上げ機、高度情報通信システム*1など、幅広い製品とサービスを世界150ヶ国以上に届けています。
(兵地)
<出典>
Boeing ボーイングの概要
https://www.boeing.jp/ホーインク社紹介/ホーインク社の概要.page
https://kotobank.jp/word/高度情報通信システム-496956
<画像の出典>
https://publicdomainq.net/tag/%E3%83%9C%E3%83%BC%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%82%B0/
*1:高度情報通信システム:高度情報社会に必要とされる大量の情報を経済的に伝達・通信・処理できる通信システムのこと。
【航空宇宙産業について】株式会社ジャムコ
【ジャムコとは】
今回は、株式会社ジャムコ(以下 ジャムコ)を紹介します。ジャムコは、航空機に関する4つの事業「航空機内装品製造」「航空機シート製造」「航空機器製造」「航空機整備」で活躍をしているTier 1の装備品メーカーです。
この記事では、ジャムコの担う4つの事業について説明し、航空機産業のどの位置で活躍をしている企業であるかをぜひ皆さんに知っていただきたいと思います。
【航空機内装品製造事業について】
ジャムコは、航空機用の「ラバトリー(化粧室)」と「ギャレー(厨房設備)」において世界でナンバーワンのシェアを誇っています。その他にも、客室内装備品の新規搭載などの航空機客室改修等も行っています。
新型コロナウイルスの影響はありますが、長い目で見ると世界の航空機事業は伸びていくことが予想されています。一方では世界のエアラインの競争は激しくなり、あらゆるコストの削減と他社とのサービスの差別化が求められています。航空機の客室のデザインやアレンジは、エアラインのサービス内容によって大きく異なってきますが、世界中のエアラインのこうしたニーズに的確に応え続けてきた点についてはジャムコの大きな強みです。
【航空機シート製造事業について】
航空機シート製造事業はジャムコの新しい事業です。航空機シート分野は大手2社の寡占状態でした。しかし、ある企業の品質問題を機にジャムコが航空機シート分野へ参入することとなりました。
ビジネスクラスとファーストクラスは機内でも特別な空間です。そこで用いられる高級シートはまさにその主役ともいうべき存在ですから、各航空会社はそれぞれのブランドイメージを体現するため、シートへの要求条件を非常に高く設定しています。
航空機シートの製造を始めることで、航空機内装についてのことは全て制覇したジャムコ。今後はエアラインから一機丸ごとの内装改修を引き受けていくことも可能になることが予測できます。
【航空機器製造事業について】
ジャムコはジェットエンジン部品・炭素繊維*1構造部材などを製造し、高度な品質で安全を確かにする特殊工程技術を強みにしています。
ジャムコでは、2006年4月以来、NDT(非破壊検査*2)、WLD(溶接)、HT(熱処理)、Composites(複合材)、NM(レーザー加工)の5つの工程において、航空宇宙分野における特殊工程の世界的認証制度 Nadcapによる認証を取得しています。また、航空機器製造事業は、JIS Q 9100「品質マネジメントシステム-航空・宇宙及び防衛分野の組織に対する要求事項」の認証を取得しています。(JISQ 9100はAS9100/EN9100と同等です。)JISやNadcapの他にも「炭素繊維複合材(CFRP)の連続成形製法」という特許も取得しています。
【航空機整備事業】
ジャムコは、伊藤忠式N-62型機「イーグレット」の製造事業を手掛けた技術を継承し、60年以上の実績を誇る国内最大の独立系整備専門会社として幅広い活動をしています。
機体の整備の他にも、ホイール(車輪)やブレーキ等の装飾品の整備も行っています。件数としては世界最大級を誇り、アフターサービスまで手厚く手掛けています。
ジャムコについて少しでも理解が深まりましたか。世界で戦えるレベルの航空機メーカーが日本にあるとは、非常に誇らしいですね。
(加藤)
<出典>
ジャムコHPトップ
https://www.jamco.co.jp/ja/index.html
https://www.carbonfiber.gr.jp/material/feature.html
事業内容
https://www.jamco.co.jp/ja/business.html
航空機内装品について
https://www.jamco.co.jp/ja/business/kco.html
航空機シートについて
https://www.jamco.co.jp/ja/business/sd.html
航空機器製造について
https://www.jamco.co.jp/ja/business/jco.html
航空機整備について
https://www.jamco.co.jp/ja/business/aco.html
<画像の出典>
いらすとや
https://www.irasutoya.com/2016/10/blog-post_473.html
いらすとや